教室の概要

 本学精神医学教室の歴史は、明治2712月に島村俊一先生が教諭として赴任し、精神病学、精神神経病学及び法医学の講座を担当したことに遡ります。翌明治282月には京都府立療病院のなかに神経精神科が独立して開設されました。初代の島村俊一は明治20年に東京帝国大学医科大学を卒業、その前年に榊俶教授が開講された精神病学教室に入局し、助手として活躍した後、神経病学の研鑚をつむためドイツに留学、帰国後直ちに京都府医学校・京都府立療病院に赴任しました。その後、佐々木恒一、野田浦弼、久保c二郎、小谷庄四郎、飯塚禮二、加藤伸勝、中嶋照夫各教授へと引き継がれ、平成87月から福居顯二が講座を担当しています。この間、平成5年には開講100年目を迎え、記念式典を執り行いました。

初代教諭 島村俊一先生の記念碑

附属図書館 玄関前にて。


現在の教室は、教授1、講師1、学内講師3、助手5、修練医9、大学院生11、臨床心理士1で構成されています。また、当教室では京都府立医科大学医療センターとして、京都府精神保健福祉総合センター・京都府立洛東病院・京都府立与謝の海病院・京都府立心身障害者福祉センター、京都府こども発達支援センターに併任講師3、併任助手5の計8名が属しており、週半日〜1日外来診療や研究、研修医の指導にあたっています。

 教室の主な目標として、@各臨床グループを中心に特定機能病院としての高度でかつ優しい医療の提供、A身体医学・心身医学の知識を併せ持つバランスの取れた精神科医の育成、B精神医学・医療心理学に興味をもてるような学部学生への教育、C基礎・臨床を含めた幅広い研究活動、が挙げられます。

 診療面では、精神科病床(37)の他に一般病棟にもベッドを設け、軽症うつ病や心身症の患者さんの治療を行っています。なおこれらのベッド(3床)は、平成11年12月の内科のディヴィジョン化の際に新設され当科が担当している「心療内科」の患者さんも利用されます。ストレス社会を反映して以前よりも精神科や心療内科に対する敷居が低くなったと同時に、疾患も多様化し、専門的治療を要する病態も増えています。このため当教室では、「コンサルテーション・リエゾン」、「思春期・青年期」、「老年期(附属老人性痴呆診断センターを含む)」、「強迫性障害(OCD)」、「認知療法」、「発達障害」等の予約制外来を設け、専門医による集約的な診断・治療を行っています。また総合病院精神科としての重要な役割である、身体的合併症を有する精神科の患者さんの診療にも力を注いでいます。

 卒前教育においては、生物・心理・社会的モデルに基づいて多角的に精神障害を理解してもらえるよう、実習において、京都府精神保健福祉総合センターでのデイケア見学や総合病院精神科、単科精神病院などでの研修も実施しています。

 研究面では、基礎・臨床ともに多岐にわたる研究活動がおこなわれています。各研究グループが独立するのではなく、互いに密な連携を取り、日常臨床に常にフィードバックできる研究活動を教室員一同が目指しています
 なお、京都府立医科大学では平成15年4月より大学院を重点化し、教室の名称は京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学となりました。


(京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学 福居顯二)