|
|
|
|
|
長崎県立長崎明誠高等学校(総合学科) |
|
芥川龍之介の見た「長崎」
菱形の凧。
サント・モンタニの空に揚つた凧。
うらうらと幾つも漂つた凧。
路ばたに商ふ夏蜜柑やバナナ。
敷石の日ざしに火照るけはひ。
町一ぱいに飛ぶ燕。
丸山の廓の見返り柳。
運河には石の眼鏡橋。
橋には往来の麦稈帽子。
――
忽ち泳いで来る家鴨の一むれ。
白白と日に照つた家鴨の一むれ。
南京寺の石段の蜥蜴。
中華民国の旗。
煙を揚げる英吉利の船。
『港をよろふ山の若葉に光さし……』
顱頂の禿げそめた斎藤茂吉。
ロティ。
沈南蘋。
永井荷風。
最後に『日本の聖母の寺』
その内陣のおん母マリア。
穂麦に交じつた矢車の花。
光のない真昼の蝋燭の火。
窓の外には遠いサント・モンタニ。
山の空にはやはり菱形の凧。
北原白秋の歌つた凧。
うらうらと幾つも漂つた凧。
芥川龍之介は、
大正8年に菊地寛と旅行し,
長崎県立病院に勤務していた
斎藤茂吉を訪問した。
大正11年に長崎に一月滞在した。
芥川龍之介の描いた河童の絵
「水虎晩帰之図」が
長崎市立博物館にある。
「カステラを1日1斤
手でちぎっては食べ,
ちぎっては食べ」は,
本当かも・・・