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聖書 〜English Bible〜
The Great Bible A facsimile of the 1539 edition
(English Book)
総頁数
1114ページ(解説序文39ページ)
発行所
株式会社エルピス
装 幀
総皮・背バンド付
印刷所
シナノ印刷株式会社
貼箱入
製本所
有限会社ツルミ工房
マーブル紙付・天金
判 型
タテ42cm×ヨコ28cm(原寸大)
限 定
200部
定 価
355,350円(本体 345,000円)
the Great Bible 覆刻本刊行に際して
ここに覆刻されたthe Great Bibleは、1539年Henry8世の時代に上木された英訳聖書で、「大聖書」という呼称はその版型がとくに大型(42×28cm、印刷面33.7×23.5cm)であったことにちなむ俗称である。これは国王と議会から正式の公認を得、各教区の教会に一部ずつ備えるように布告された最初の英訳聖書であり、またTyndale訳(1525-35)に始まる近代英訳聖書の伝統の中で、1611年の『欽定英訳聖書』(Authorised Version)への道を整えた聖書の一つとして、英訳聖書史上および英語散文文体の発達に重要な意味を持つ。その編訳に当たったのは、Luther、Calvinの宗教改革の思想から強い影響を受けたMiles Coverdaleである。Coverdaleは聖書の原語には十分通じていなかったが、文体のリズムに天性の鋭い感覚を持ち、流暢で味わいのある表現の才に恵まれていた。この聖書にちりばめられた幾多の文学的香りの高い訳文は『欽定英訳聖書』を通じ、英訳の表現力を豊かに育むのに与って力があった。とくに、英国国教会の礼拝に用いる『祈祷書』(Prayer Book)に収められた詩篇では、このGreat Bibleの訳文が採用されてきた。従って、英米人が詩篇を引用するときには、『欽定英訳聖書』ではなく、Great Bibleによることが少なくない。
Great BibleもTyndale訳聖書などと同様、官憲のきびしい取り締まりを受け、印刷所を変えたりしなければならなかったため、今日残っているGreat Bible初版本には異なる刷りの頁が入りまじったmixed copyが多いといわれている。覆刻本の原本は、現在Cambridge大学図書館に移管されている英国聖書協会図書館の所蔵本であるが、これは英訳聖書研究の権威であったFrancis Fryの蒐集にかかる、数少ない純良本の一つである。
近時、重要な初期印刷本の覆刻版(Facsimile)が盛に刊行され、英訳聖書についても『欽定英訳聖書』をはじめ、Tyndale's New Testament(1525)、Coverdale's Bible(1535)、Geneva Bible(1560)、Rheims-Douai Bible(1609)が相ついで覆刻された。その中で、従来覆刻の対象からもれていたGreat Bibleが、信頼できる初版本に基づき、1569年以来はじめて完全な覆刻本として刊行をみるに至ったことは、キリスト教史、聖書研究、英語・英文学に関心を持つ人々のみならず、ひろく書物─人間の文化の歴史を刻印した書物を愛する人々に、限りない喜びを与えるに違いない。
監修者 寺澤芳雄
東京女子大学教授
東京大学名誉教授
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