緑化の効能
大気浄化
 
■光合成収支
昼間は二酸化炭素を消費して酸素を放出します。
夜間は呼吸による酸素の消費が多いため二酸化炭素の放出が上回るが、 生長中の樹木では光合成による酸素の放出が消費を上回るので酸素の発生源といえます。


大気浄化
■大気汚染収支
二酸化窒素は酵素反応によってアミノ酸とタンパク質に変換されて成長に利用されます。
一酸化窒素は光化学反応により二酸化窒素やオゾンに変換された後で葉から吸収されます。
光化学反応は一酸化窒素→二酸化窒素→オゾン→ベルオキアセチルナイトレートへと進みます。
一酸化窒素から二酸化窒素への変換は数十分、オゾンやペルオキアセチルナイトレートへの変換は数時間を必要とするため、樹木は自動車の排気ガス等広域に拡散したこれらのガスを吸収していることになります。
 

大気浄化植物名とガス吸収能力度

高い 中位 低い
常緑樹 落葉樹 常緑樹 落葉樹 常緑樹 落葉樹
マルパユーカリ
オオムラサキツツジ
ヤマモモ
キリ
ケヤキ
シンジュ
コウゾ
センダン
エノキ
オニグルミ
キササゲ
テウチグルミ
ムクゲ
ツルウメ
モドキ
クヌギ
カキノキ
モモ
ミズナラ
トサミズキ
ヤマハギ
シダレザクラ
ナンキンハゼ
オオヤマザクラ
ユリノキ
ニワトコ
エコノギ
レンギョウ
ニセアカシア
シラカバ
アメリカマンサク
シデコプシ
ミズキ
ハナズオウ
マユミ
イチョウ
サルスベリ
キブシ
ハルニレ
アオギリ

チャノキ
サネカズラ
サンゴジュ
ムベ
ルリヤナギ
クロガネモチ
タイサンボク
ヒメタイサンボク
マルバシャリンバイ
スダジイ
シラカシ
ウバメガシ
クロモジ
クスノキ
モッコク
ヤツデ
アラカシ
ソメイヨシノ
スイカズラ
イズシデ
カルミヤ
サドザクラ
イヌエンジュ
オオデマリ
モミジバフウ
ハンノキ
アケビ
オオベニカシワ
ヌルデ
ノウゼンカズラ
ウメモドキ
ヤマツツジ
コナラ
ウメ
アベリア
オオバヤシャブシ
コブシ
ポーポーノキ
カシワ
トチノキ
カリン
クリ
ヤマフジ
リョウブ
ダンコウバイ
トウカエデ
スズカケノキ
ナツハゼ
ライラック
ヒメヤシャブシ
イヌブナ
タブノキ
ベニカナメモチ
トウネズミモチ
ユズリハ
低シロダモ
タラヨウ
キンモクセイ
サザンカ
アオキ
ヤブツバキ
ヒカサキ
ヒイラギナンテン
サカキ
アセビ
キヅタ
ゴヨウツツジ
ハクウンボク
 
(出所:川崎市 緑化指針資料から抜粋)
省エネルギー効果
 
葉の裏面にある気孔から水蒸気を大気中に放出するため、建物の表面温度を抑制して外気温程度に保つことができます。
また建物の熱貫流負荷は太陽からの輻射熱が建物本体に吸収されて熱となり(夏場で50〜60℃程度)室内に放出される時に生じますが、前述のように建物本体の温度が外気温程度(夏場は約30℃・冬場は約10℃でほぼ固定)に保てれば断熱材と同じ効果があるので冷房コストの削減や紫外線等による建築物の劣化防止になり、室内の不快な輻射熱や日射の照り返しも軽減されます。
(出所:川崎市 緑化指針資料から抜粋)


<具体的効果>
項    目 効          果
断熱・保温 1日当り屋上緑化で5.4円/u・壁面緑化で3.8円/uの空調コスト削減
(例)@緑化面積40坪(屋上30坪・壁面10坪)の住宅で夏場(90日)の
     冷房コスト削減額は約6万円。
   Aオフィスビルの場合、夏場(90日)で20〜30%の冷房コスト削減可能。
建物の長寿命化 @紫外線による劣化防止
A酸性化防止
B温度差による膨張・収縮の防止

 → これらの効果により建物は完成時の状態をほぼ保つため、
維持・修繕費が大幅カット可能。
騒音防止 葉や茎の重なりと空気層が、音波の緩衝材となり騒音を吸収する。
(例)高さ1.5m・厚さ10cmの生垣で、騒音を1/6以下にカット。
防火・防災 樹木の発火限界は450℃以上(発火熱量13,400kcal/u時)あるので、
周辺からの延焼防止や緊急時の退路確保にも役立つ。


<防火・防災に役立つ生垣に適する主な樹種>

区    分 樹          種
成長が遅い キャラボク・チャノキ・チャボヒバ・ツバキ・サザンカ
刈込みに強い イヌマキ・カイヅカイブキ・イヌツゲ・ピラカンサ・サンゴジュ・ジンチョウゲ
サワラ・ トベラ・アオキ・カナメモチ・ベニカナメモチ・レッドロビン
日陰に強い マサキ・ウバメカシ・サカキ・アオキ・キャラボク・アスナロ・サワラ
日照に強い ドウダンツツジ・アラカシ・クロマツ・カナメモチ・ベニカナメモチ・レッドロビン
景観が美しい ドウダンツツジ・ニシキギ・カエデ類・ナンキンハゼ・カナメモチ・ベニカナメモチ
レッドロビン
公害に強い サザンカ・ツツジ・ドウダンツツジ・ムクゲ・ユキヤナギ・レンギョウ・カイドウ
ウツギアジサイ・サツキ・カナメモチ・ベニカナメモチ・レッドロビン


緑地の管理

【1】緑地の管理項目@(専門業者の技能や知識が必要な項目)

 ここでの管理項目は、造園業者の特殊技能専門知識が必要になります。管理方針や御予算等の制約も多いと思いますが、「緑地管理のプロ」である我々にお任せ頂きたいと思います。

《1》剪定及び刈込
@目的及び効果
 剪定・刈込とは、樹木本来の目的や機能に沿うように樹木の枝梢を切除いたり、樹冠を縮小させることであり、新陳代謝や活性化を施すと共に、日当りや風通しを良くすることで、病虫害等による抵抗力を強めることに役立ちます。
A時期及び回数
 剪定・刈込の時期は、原則として休眠期(樹種により違いがあります)に行うのが最適で、樹木に対する負担も少なくて済みます。
 回数については、必要な時期に年1回の整枝剪定(刈込)で十分新陳代謝や活性化を施すことができます。但し緑地全体の目的や性質(常に人工的な美観を維持する必要がある等)によって、年2回以上の剪定(刈込)を行う場合の2回目以降は、あくまでも整枝剪定(刈込)の補助作業(人間の髪の毛に例えると毛先を揃える程度)に留める必要があります。
B手入を行わない場合の弊害
 剪定・刈込を行わずにいると、根から吸い上げた養分が各枝葉に十分に行き渡らなくなり、日当りや風通しも悪くなるので健全な状態を保つことが出来なくなります。過度に繁茂した樹木は、害虫や蚊が大量発生する温床になり周辺に被害や不快感を与えるだけでなく、樹勢が弱っていくことでいずれ樹木本体も枯損します。 
C樹木の成長曲線と手入コスト
 樹木の生長は反比例曲線を描きます。当初の数年は樹幹が伸長する程度ですが、それ以降は樹幹だけでなく枝葉も急速に伸長して密度も濃くなっていきます。手入のコストも樹木の生長と共に剪定する枝葉量の増加に伴って、作業時間や剪定枝処分コストが増加していきますが、その際に樹木の数年先までの生長を見越した手入を行うことが順調な生育には不可欠です。

《2》病虫害防除
@目的
 病虫害防除は、病気や害虫によって樹木が枯損したり、周辺に対して被害や不快感を与えることを防止するために行います。尚、人間の病気と同様に樹木の病虫害を完全に予防することは、現段階では残念ながら不可能です。従って普段の樹木管理発生した場合の対処法(人間に例えると日頃の健康管理と医者の処方箋)で速やかに対応していくことが必要になります。
A予防と対処法
 主な病中害の予防法としては、<1>土壌改良(植栽基盤の改善)<2>肥培管理(施肥による栄養補給)<3>剪定・刈込(通風・採光の確保)の3点が挙げられます。また、発生後の主な対処法としては、<1>該当箇所の切除(剪定防除)と<2>薬剤散布(化学的防除)の2点が挙げられます。

《3》施肥
@目的
 施肥の主な目的は、<1>健全な生育<2>開花・結実の促進<3>抵抗力の増進<4>土壌の改良の4点が挙げられ、これらの目的に沿って樹木に対して常に必要な栄養分を補給する態勢を整えることにあります。
A肥料の要素
 正常な生育の為に必要な元素の殆どは土壌に含まれています。また、炭素(C)・酸素(O)・水素(H)の三要素は空気及び水から摂取することが可能です。但し、窒素(N)・リン(P)・カリ(K)・カルシウム(Ca)の四元素は自然環境からの摂取が不可能であるので、肥料として施用する必要があるわけです。
 この四元素はそれぞれ異なる役割を持っているため、実際の施用には緑地の目的や性質によって四元素のバランスを考慮して行います。
B種類と時期
 施肥の種類は、次の生長に備えた養分を補給する元肥樹勢回復の為に必要な養分を補給する追肥に大別できます。元肥は緩行性の肥料を用いて休眠期等に施し、追肥は速効性の肥料を用いて開花・結実後等に施します。

【2】緑地の管理項目A(専門業者の技能や知識をあまり必要としない項目)

 ここでの管理項目は、通常造園業者において行われますが、【1】と較べると特殊技能や専門知識をあまり必要としない割には緑地管理予算の中では比較的大きなウエィトを占める項目でもあります。従って場合によっては、御客様自らが管理をされることで御予算を大幅に減らすことも可能です。

《1》灌水
@目的
 樹木は根から水分を吸収して葉より蒸散を行っています。自然環境の中では、時にはこの水分収支が赤字になる(蒸散が吸収を上回る)場合があり、灌水はそれを防ぐ為に行います。
A時期及び方法
 樹木の灌水時期は、一般に生長期である3〜10月頃ですが、特に夏の渇水期植栽または移植の直後保水量が乏しい人工地盤等には、状況を見て適宜行います。
 灌水の時間帯は夏期が夕方・冬期は日中が良く、1回の灌水で水が根に達するまで十分に注ぎます。

《2》芝生管理
@目的
 芝生はデリケートな性質を持ち、当初は日陰・踏圧・雑草に弱く、管理を繰返すことでこれらに対する抵抗力を強めていく植物です。せっかく施工時に美しい芝生が出来ても、何もしなければ2〜3年程度で影も形もなくなってしまいます。
 元々日本での芝生に対する意識は欧州に較べると「ただ張ってあるだけの存在」である場合が多く、ゴルフ場やサッカー場等のように美しく利用するには、下記のような細やかな管理が必要になります。
A管理項目
<1>芝刈・除草
 芝刈は5〜10月の間に、20〜30oの高さの刈込を年8〜10回行います。除草も刈込作業と同時に行いますが、本来は週1回位の頻度で行うのが理想です。
<2>病虫害防除
 病虫害の予防は、適切な刈込と施肥を行うことで効果を上げることができますが、実際に虫害が発生した際は適宜・適切な薬剤を散布して、殺菌及び殺虫を行います。
<3>施肥
 生長期(5〜10月)に芝生の状態を見ながら適宜施していきます。
<4>目土入れ
 芝生の表面に目土をかけることで芝草のほふく茎の浮上りを防ぎます。また、新しい根茎の伸長を促進すると共に、芝生表面の凹凸をなくして生育状況を良好にします。芝生の生長初期である4月に行います。
<5>エアレーション
 エアレーションは芝生地表面に穴を開けて土壌の硬さを和らげ通気を良くすると共に、地下茎の保護と根張を良くするために行います。芝生の生長初期である4月に行います。
<6>芝生地の保護
 踏圧による枯損を防ぐためには、施工後3年程度は芝生養生(作業等による立入除く。又、月に2回程度の開放日を設定することは可能)を行い、その間に根茎や地下茎を保護・育成していきます。
 3年間で上記<1>〜<5>の作業を繰り返すことにより、美しさだけでなく踏圧に対する抵抗も強くなって4年目以降は徐々に開放日を増やしていくことも可能になります。
<7>余談
『ケンブリッジ大学に留学していた日本人数学者が英国の数学者に尋ねた逸話』
問「どうしたら、こんなにきめの細かい芝生ができるのか?」
答「400年も丁寧な手入を続ければこうなる。」
 欧州でよく見かける綺麗な芝生には、このような地道な作業の継続が隠されているのです。

《3》植込地除草
 雑草はあらゆる所から種子が飛来して繁茂力・生長力共に旺盛です。従って植物を保護・育成するためには除草作業は不可欠でありますが、年間の作業回数は下記のように目的・御予算に応じた選択肢があります。
@目的を「植栽植物の枯損防止」に限定した場合:春から秋の間に年1〜2回行う。
A上記@に「緑地の修景観の向上」を加えた場合:春から秋の間に年3〜4回行う。
B目的を「緑地の修景観を美しく保つ」場合:年6回以上行う。

以上、緑地の管理のついて簡単に述べて参りましたが、御見積を希望される方にはより詳しい提案書を添付致します。

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