園長 宮崎信義
久山療育園は、二〇〇六年の秋から創立三十周年記念施設全面改築が開始され、
二〇〇七年八月にはT 期工事の完成、そしてU
期工事は建築部分が四月末、外構工事まで含めると、
七〜八月には完成の予定となっています。
これも支援してくださる多くの方々、保護者、ボランティア、職員こぞっての支援・協力のもとに実現したことです。
しかし、現在の社会保障制度の変貌、具体的には医療福祉の大幅な切下げの中にあっては奇跡とも思われる出来事でした。
これも久山療育園を立て導いておられる創造主にして救い主なる神様のなされた御わざと思います。
私共は、ただ器が整えられたことを喜ぶのではなしに、「重症児者と共に」という証しから、二〇〇八年度から名称を「久山療育園重症児者医療療育センター」と改称することとなり、県からも認可されました。
その内実は「障害者自立支援法」の施行と「児童福祉法」改正の動きに翻弄されることなく、「重症児者がたたの一人も見捨てられない」こと、「重症児者の命の尊厳と暮らしの豊かさ」に仕えて行く決意からなされたことです。
この視点に立って、施設としての立場から、年頭にあたっての久山療育園の施設運営方針を、「愛の手を」一五〇号の特集として述べたいと思います。
T . 二〇〇八年度の年間主題
年間主題として、「重症児者医療福祉の充実と新しい生活の場へ」(「久山療育園重症児者医療療育センター」への改称)〜 医療型病棟への転換と福祉の深化を目指して、また開園祭のテーマを「重症児者の癒しとうるおいを」と挙げさせて頂きました。この意図するところは以下に述べます。
U . 事業体として
日常的な重要課題として、
@ 久山療育園の理念に立った制度的対応を実現していくこと、
A 「療育的視点」を基盤として、基準が高くなった「医療」「介護」水準に到達すること、
B 「久山療育園の療育二〇一〇年」の策定、
C 施設基準・人員配置の確保、「障害者施設等入院基本料T
」「障害福祉サービス費T 」に向けた整備等です。
施設運営上は、全国的にみても人員確保(
特に医療職)の困難が指摘されていますが、皆様のご支援と、これまでの久山療育園の理念と歴史が医療部分(「障害者施設等入院基本料T
」算定病棟― 1 0 対1 看護)と
福祉部分(「障害福祉サービス費T 」の取得―
サービス管理責任者・生活支援員2対1 配置)
共に実現する見通しです。
この基盤の上に立って、
@「医療部分」と「福祉部分」の緊密な連携をはかっていくこと、
A 利用者の要望やニーズを再認識し、地域との連携をはかること、
B 新たな傾斜配置を視野に入れた施設設計と人員配置を実施していく計画です。
時代や利用者のニーズから今日的な「傾斜配置」の骨子は、
@ 医療型・医療重点病棟― 超重症児者・準超重症児者?医療ニーズが生活・療育ニーズに応える場、
A 医療型生活重点病棟― 準超重症児者?生活・療育ニーズが医療ニーズに応える場の確保にあります。
久山療育園は、「重症児者と共に」時代の荒波を乗り切るために、行政の動向の正確な把握が必要で、日本重症児福祉協会全国施設長会議、西日本重症児施設協議会などで開示され協議される事柄や公報、インターネットからの情報収集を通じて、重症児制度の動向の把握と将来予測を立てて参りました。
そして医療福祉ニーズや望まれる療育については、制度の良い面を積極的に活用し、利用者のニーズの再認識とQOL
の向上を目指して「個別支援計画」の評価・更新、事業計画に基づく施設予算編成(
診療費・施設給付費収入、人件費等の収支予測)
を行っています。
V . 運動体として
久山療育園は、保護者会・コロニー友の会と一致協力して、創立以前から取り組まれた運動体としてのあり方を再吟味して参りたいと思います。
昨年は運動の継続として、第二次西日本新聞全面広告(
3月1 0日掲載) と「障害者自立支援法を問う」−
討論と音楽の集い( 3 月2 4日) が上記の三者によって実現しました。
この運動から、創立理念に「久山療育園は単なる収容施設ではなく、新しい社会福祉の拠点である」とあるように、事業体としてだけでなく運動体として社会に発信していくことが久山療育園には求められていることを再認識させられました。
新たな園舎では、この運動の継続として、献堂式・三十周年記念式典・開園祭の実施、新施設の有効利用(
理念と新しい療育の具現)を計画しています。
どうか「愛の手を」の読者の皆様の、変わりないご支援とお祈りをお願い致します。
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