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 手話の授業

近藤 保彦

 これは、参観日(5年生)で手話の授業を行ったときの、授業記録です。

 授業は、『あかねこ手話スキル』(光村教育図書)と、『ジュニアボランティアテキストU』(東京教育技術研究所)の中から、今回行いたい内容を抽出して組み立ててみました。

 今回のテーマは、簡単な手話を知ることと、ろうあの方々への接し方です。


 本時は耳の不自由な人についての学習をすることを伝え、次の発問をした。

耳の不自由な人と出会ったとき、みなさんは、気持ちを伝えたり話をしたりすることはできるでしょうか。

 以前手話歌を習ったことがあったらしく、子ども達の答えは、全員が「できる」だった。  

どんな方法がありますか。

 子ども達からは、次の意見が出てきた。

    ・手話

    ・身振り手振り(ジェスチャー)

    ・紙に書く(筆談)

    ・口の形(口話)

 そのほかにも、空中に文字を書いて伝える方法(空文字)もあることを伝えた。  

いろいろな方法で、次のカードの言葉を伝えてみましょう。

 何人かずつにそれぞれの方法で実際に伝えてもらった。

  @口話

  A空文字

  Bジェスチャー

 カードは、「鳥」「バナナ」「ウサギ」など、ジェスチャーをするのに簡単なものにした。

                  ※聞く人は耳をふさぐ。  

3つの方法のうち、どれが一番伝わりやすかったですか。

 子ども達の答えはBジェスチャー。

 その後、実際の手話を行って見せた。カードの種類と実際の手話は、次の表の通り。

実は、さっきジェスチャーは、ほとんどがズバリ本当の手話なんです。それぞれの言葉の、本当の手話はこうです。

   ※実際にジェスチャーをした人にもう一度やってもらったあとで実際の手話を知らせる。

オートバイ
カメラ バナナ
ウサギ

 ジェスチャーとほとんど同じことに、子ども達は驚いていた。

 それとともに「手話って簡単じゃな。」などの言葉も聞こえた。

 すかさずポケットから電話お願い手帳を取り出し、次の発問をした。

ところで、この手帳(電話お願い手帳)を見たことがありますか。

 全員が「ない」という答え。

どんな人がこの手帳を使うのでしょうか。

 表紙を拡大したものや、中のページをデジカメで提示した。

 「耳の聞こえない人」と、すぐに答えが返ってきた。

 言葉をしゃべることができない人も使うことを知らせた後、次の発問をした。  

あなたは、この手帳を見せられたらどうしますか。

 全員が「電話してあげる」と答えた。

 次に、中の各ページを提示しながら、それぞれの対応の仕方を話し合った。

その他にも、次のような種類のページがこの手帳の中にあります。それぞれに合った対応をとってあげましょう。

   

・110番へ…  警察を呼ばなければなりません。110番に電話して、手帳を出した人の名前と電話番号、今いるところ、メモに書いてあることを伝えましょう。相手の返事をメモに書いて教えてあげましょう。
・急病です… 救急車を呼ばなければなりません。119番に電話して、手帳を出した人の名前と住所と電話番号、できたらどういう様子かも聞いて伝えましょう。
・火事です…  消防車を呼ばなければなりません。119番に電話して、手帳を出した人の名前と住所と電話番号を伝えましょう。
・緊急避難場所… 地震や火事など、緊急避難場所に逃げなければならないときに使うものです。周りの音が聞こえないのでとても不安です。何が起こっているのか右のところに書いて教えてあげ、緊急避難場所まで連れていってあげましょう。
・手話通訳者を… 手話通訳者の人が必要です。手帳を出した人の名前と住所、どこに来て欲しいかをメモで聞いて、指定された手話通訳の人に電話し、伝えます。
・病院へ連絡… 病院に連絡する必要があるのです。用件をメモで聞き、手帳を出した人の名前と住所、用件を指定された病院へ伝えましょう。
・タクシーを…  手帳を出した人にどこにタクシーを呼ぶのかをメモで聞き、指定されたタクシー会社に電話して、手帳を出した人の名前と行き先、来て欲しい場所を伝 え、タクシーに来てもらいます。
・手で合図して… 銀行や病院などの順番待ちをしていますが、呼ばれてもわかりません。手帳を出した人の名前が呼ばれたら、手で合図をして教えてあげてください。その時に手帳を出した人に伝えることがあるときは、右のメモに書いて教えてあげましょう。

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   その後、次の説明を行いながら、電話お願いカードを提示した。

この手帳を持っている人は、耳が聞こえなかったり言葉が不自由だったりして、とても不安です。手帳を出されて、その用事をしてあげたあと、必要ならば一緒にいてあげることも大切でしょう。 この手帳を持っている人は、用件を頼む前に次のようなカードを出して頼んでも良いか聞いてきます。

 そして、最後の活動。「どうかしましたか?」の手話を練習した。

 また、次の手話を覚えておくと、役に立ちます。ぜひ覚えておいて欲しい手話です。これは、「どうかしましたか?」(何か?)という手話なのです。さっき紹介したカードを持ってないとき、言葉を話すことのできない人たちは手話で気持ちを伝えようとします。紙とペンを使うかも知れません。そんな人を見かけたとき、この手話を使い、紙と鉛筆を出せば笑顔で答えてくれると思います。それでは、みんなで練習してみましょう。

 2〜3分ほど練習した後、次の言葉でしめくくった。手話スキルの表紙の言葉である。

 みんな、真剣な顔で聞き入っていた。

「バリアフリー」という言葉を聞いたことがありますか。この言葉には、2つの意味があります。1つは、『障害をもつ人たちや、お年寄りが安心して暮らしていくのを妨げる、いろいろな障害(バリア)を取り除く』ということです。もう1つは、『障害をもつ人たちともたない人たちとの間の壁をなくす』ということです。手話を覚えることで、耳の不自由な人とのバリアを取り除ければ、いっしょに遊んだり勉強したりできるのです。

※ 時間が余れば、手話歌『ぞうさん』を歌う予定もしていたが、できなかった。

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 参考 「わたしたちの手話」全日本ろうあ連盟

     「ジュニア・ボランティアテキストU」東京教育技術研究所

        E ボランティアワーク      大野木一雄

        F『電話お願い手帳』の授業   中江 勇治

        G手話の授業−目で見ることば− 丸尾 浩一

        H手話を教える授業プラン(入門編) 大堀 真

      「みんなの手話」NHK

       「あかねこ手話スキル」光村教育図書

       「ジュニアボランティア教育」 東京教育技術研究所