(財)自然保護助成基金 創立10周年の記念事業について


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 財団法人自然保護助成基金は、平成15年4月1日をもって創立10周年を迎えました。わが国の自然保護に対する助成団体の草分けである当財団は、この間国内の主な自然保護活動や、これに関連した調査研究に対して助成をしてきました。したがって当財団の助成の実績は、そのままわが国の自然保護運動の歴史と申しても誇張ではありません。具体的には「自然保護助成基金10年の歩み」をご参照下さい。

10周年を記念して、当財団では次の二つの事業を行いました。

 当財団では、毎年67月に「プロ・ナトゥーラ・ファンド」の名称で、毎年計20百万円以上の助成金を公募していますが、今年はこの10周年の節目に、別枠の助成を公募することとしました。テーマは今わが国で最大の問題である「有明海と諫早湾の自然保護問題」です。有明海の汚染は複合汚染だという説が有力であり、水質や貧酸素の問題だけでなく、潮位・潮流の変化もからんでいるともいわれるだけに、研究者が単独でなく、各分野の共同研究を期待して、一件あたりの助成額限度も大幅に引き上げることとしました。 

この公募により12件 46,385千円の応募があり、その中から厳正審査の結果、この程下記4件の特別助成金交付先を選定、今後2年間にわたり合計金額13,500千円を支給して、有明海異変の学術的解明を支援することとしました。

・ 有明海・諫早湾の底層環境の変化とそれが底棲生物に与える影響
有明海・諫早湾底層環境調査研究グループ(代表 長崎大水産学部教授 松岡 数充) 2,500千円

・ 人間活動による有明海のリン・窒素・珪素循環の変化
有明海低次生態系モデリンググループ (代表 九大応用力学研究所教授 柳 哲雄)3,000千円

・ 諫早湾干拓事業に伴う「有明海異変」に関する保全生態学的研究
諫早湾保全生態学研究グループ (代表 長崎大教育学部教授 東 幹夫)4,000千円

・有明海北部における表層流の動向と赤潮発生の関係について
有明海表層流観測グループ(代表 熊本保健科学大教授 高橋 徹)4,000千円


 さらに当財団では、三宅島噴火被害地における生態系の保護と復元に向けた研究に対し、毎年1百万円を5年間にわたり助成を行います。三宅島の噴火によって、同島の自然生態系は壊滅的な打撃をうけました。噴火の沈静化によって、自然は徐々に回復の兆しを見せていますが、その経過を経年的に克明に把握し、また復旧事業による生態系のかく乱を最小限に留めるようチェックして、生態系の復元手法はどうあるべきかを検討することが、日本の災害と自然再生の関係の科学的究明にとって最大のチャンスと考え、この研究を支援することとしました。

助成先は、上條隆志筑波大学農林学系講師および樋口広芳東京大学大学院農学生命科学研究科教授を中心としたグループで、上條講師は長年同島の植生の研究に携わり、また樋口教授も伊豆七島を鳥類研究の主要フィールドの一つとしており、ともに噴火直後から東京都の委託を受けて同島に入り調査を行ってきました。したがって本テーマにもっともふさわしい研究者として、当財団が委嘱助成するものであります。

また本件に関するご質問は、当財団事務局・多田または岡本までお問い合わせ下さい。

                                           以上