らんぼうの連載記事
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みなみらんぼう
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‘03年〜'05年まで日経新聞夕刊に大好評連載された“みなみらんぼうのスローライフ”が帰ってきました。セレクト版でお届けします。ある人はなつかしく、又ある人は新鮮な共感を持ってらんぼうワールドをお楽しみください。
 
相撲人気に陰りが見えているらしい。九州場所の前半戦などは、テレビで見てもガラガラだった。後半戦に入ると琴欧州の大関とりや横綱朝青龍の、史上最多の年間勝利などの話題で大いに盛り上がった。
 こうした外人力士の活躍の中で、福岡の観客は地元出身の大関魁皇に対する声援が格別だった。千秋楽の琴欧州戦など、観客の後押しで勝ったのではと思うほどだった。
 昔大阪で二代目若乃花と北の湖の優勝決定戦を見ていた。館内のほとんどが若乃花に声援する中、一人「北の湖」と大声を張り上げたので、一瞬場内が静まり返った。そこでその男は「負けろー!」と続けたので、場内が大爆笑につつまれた。勝負は観客のおもわく通り若乃花が勝って留飲が下がった。
 九州場所の幕内下位では栃乃花に注目していた。まず八勝をと思っていた。彼は元小結。けがで幕下まで落ちたが、努力してはい上がってきた。それが十一勝して涙の敢闘賞に輝いた。
 大相撲を楽しむコツに、若手の有望力士を追いかけろ、というものがある。たとえば九州場所で幕下優勝した沢井だ。沢井は埼玉栄高校時代に高校横綱となり、昨年の全国相撲選手権で三位になった。高校生でベスト四に入ったのは、関脇琴光喜以来である。
 この時の模様をテレビで見ていた。沢井は学生横綱の吐合を予選リーグで破り、準決勝で再び当たってまた勝った。これは本物だと思ったものだ。今年の一月場所から大相撲入りし、序ノ口でまず優勝し、年六場所のうち三回優勝した。次の初場所では十両入りがねらえる地位になる。本名沢井豪太郎、千代の富士みたいな、前まわし取ったら一気に走るという魅力たっぷりの相撲だ。うーん初場所が楽しみだなあ。
 もう一人沢井の高校時代からのライバル、影山もすごい。こちらも九州場所三段目優勝している。なんとなく柏鵬時代をほうふつとさせる二人の関係ではないか。二人とも相撲の基本がしっかりしている。こんなふうに若手力士に注目すると、大相撲ががぜん楽しくなるのである。  (注)沢井は現在豪栄道、影山は栃煌山となり幕内で活躍している。

つづく

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